感想2

又四郎行状記
又四郎行状記
posted with amazlet on 06.06.12
山手 樹一郎
光風社出版 (1987/08)

まだ半分ほどしか読めていませんが、忘れない内に感想。




あのねー、昨日読んだ「江戸の恋浪人」よりも面白い!
この本で判明したのは、私は万能な男が嫌な訳ではなく、それに惚れる女が嫌ってこと。
この本でもアホみたいに出てきますよ・・・「江戸〜」は一人だったから良かったものの、この本は、私が今読んでるところまででも3人の女子が主人公にメロメロです。
別に惚れるのはいいんだ、カッコイイんだからしょうがない。
でもみんながみんな「今まで一度も男を想ったことがないのになんだろうこの胸の高まりは、ああなるほどこれが恋か」で命賭けるまで落ちてゆくパターン。意味が分からん。
こんなの男の妄想でーい、と江戸っ子口調をしたくもなりますけど、二冊続けて同じパターンだったので、もしかして当時の女ってのはこんなヤツばっかだったのかねえ。
なんつーか気味悪いが・・・まあいいや。
ええと面白いところは、この話の主人公は若様なのに全然若様っぽくないところ。
さっきに主人公に惚れた女達にやいのやいの書いたけど、私も若様には惚れた。
自分が婿養子になると分かった時に言った一言「爺、だいぶ費(もら)つたな」で落ちた。
んなアホな!!・・・っていうかこの若様かなりイイ!!(じたばた)
おっとりしてて人を疑うことを知らず、婿に行く前に嫁の顔が見たいと素浪人に化ける。
悪事が嫌いで首を突っ込みたくなるところは黄門様や暴れん坊将軍辺りに似てる。
でもこの若様は本当にバカなので、「悪いことはやめなさい」と言えば済むと思ってる。
ああこの愛すべきバカ。そしてそれらを愛す芸者と商人と姫様。この本バカばっか!
しかも、若様は別に女好きでもなく、天然であるから勝手に女が寄って来るんですよね。
本人曰く「なんの因果か、私はどうも女に惚れられやすいんでね、困ってるんだ」と。
私にとってこの本はちょっとしたギャク本。
まだまだ半分しか読んでないし、今は中弛みな部分で辛いんだけど、この続きが気になります。
若様は果たして姫様の種馬となるか、芸者の間夫になるか、女商人の旦那となるか!
若様がその気なら私でもよくってよ、と紙面の上からほざくのはあたいのことでいっ。無理でいっ。