諸行無常

当たり前のように側にいると思っていた人がいなくなる。
いつかはいなくなると知っているのに、自分の周りだけは例外だと思っている。
お経の声を頑張って正座して聞いてたら、案の定足が痺れちゃって。
やっとの思いで前に出たら、二度と起き上がらないおじさんがいた。
おじさんは目を覚まさない。足が痺れることだって、勿論ない。
そう思ったら、足の痺れが、どうしようもなく生きている証拠に思えて腹が立った。
誰に向けるでもなく「馬っ鹿じゃないの」って何度も心で繰り返して、泣いた。