She is here.
私だって、
白いヒツジさんが目の前を通り過ぎたり
頭の上に白い花が咲いているのを見ただけだって
カーソル合わせて名前を確認するクセは抜けてない。
いつかは、忘れるかもしれない。
私は団員じゃなかったし
きちんとお話したのはたったの一度だし
ふとした拍子に思い出すことはあっても、
それまでは「忘れてる」ってことだ。
でも、今の私は彼女を忘れてない。
舞台の上で輝く白い髪を。
彼女の優しさに似た白い花を。
今、この瞬間、私は彼女を知っている。
それは、今彼女が私の中にいるってことだ。
顔を知らない。
声を知らない。
だから、何だ。
私は彼女をまだ忘れられない。それだけで十分なんだ。
と、私は思うね、うん。